テーマ:闇市

闇市とスピード籤と白いコッペパン

 こんな苦しい世の中なのに、追い討ちをかけるように、私の家で同居することになった妹の主人の戦時中から勤めていた統制会社が潰れてしまい、わずかな退職金で失業の日々送らざるを得なくなった。二人の子供を抱えた妹の日ごとに暗くなっていく顔を見ていると、私もじっとしていられず、この年の秋、人手不足だった私の役所に就職を頼んでみた。  こ…
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終戦―安堵と混乱の日々

 終戦とともに建物疎開は中止となり、大都市への再転入は抑制された。八月二十日には灯火管制は廃止され、天気予報も復活した。十月になると、集団疎開をしていた学童が東京に帰って来て、焼けた校舎の片隅で青空教室が開かれた。  八月三十日、マッカーサー元帥が厚木に到着し、前後して米軍が続々と進駐して来た。初めて見る彼らの顔は明る…
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