闇市とスピード籤と白いコッペパン

 こんな苦しい世の中なのに、追い討ちをかけるように、私の家で同居することになった妹の主人の戦時中から勤めていた統制会社が潰れてしまい、わずかな退職金で失業の日々送らざるを得なくなった。二人の子供を抱えた妹の日ごとに暗くなっていく顔を見ていると、私もじっとしていられず、この年の秋、人手不足だった私の役所に就職を頼んでみた。  こ…
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