再訪 赤城山縦走


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こちらの整理が不行き届きだったこともあるのだが、ここへ来て昭和八年四月の記録を見つけてしまった。
見たからにはアップせねばなるまい。
なるべく年代順にと、気を遣っていたつもりでも、こんなポカがある。
お許し願いたい。

前回は親友とちょうど一年前に、そして今回は兄と二人。
四月の赤城山はまだ早春のはずだが、眺望も満足できる夜行日帰りの山行だったようだ。


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赤城山は前橋の東北方に聳ゆる二重式火山で、外輪山は最高峰一千八百二十八米の黒桧山で、駒ケ岳、長七郎山、乗柄山、薬師岳を連ね、再び黒桧山に至る連峰で、ほゞ楕円形を呈し、その囲続する所、東西三粁半、南北四粁半、その中には大沼の火口原湖が有り、地蔵岳の中央火口岳が噴起している。
大沼は地蔵岳の北麓に有り、東西より西北に長く、長径一粁半、短径これに半し東岸に近く、小鳥ケ島が有る。
湖面は海抜一千三百二十米、その水、西北隅から沼尾川の火口瀬によりて、乗柄山の北に於いて外輪山を破り急潭をなし、西流して利根川に注ぐ。

地蔵岳の東南麓には小沼があり、円形をなしている。
大沼湖畔には赤城神社があり、此の辺を大洞と云ひ、部落をなしている。
赤城の最高峰黒桧山は、大洞より往復二時間半を要し、山頂より眺望は実に広闊豪壮である。
目前に大関東平野を望み、霞の中に富士あり榛名妙義を目下に望み、遠く浅間の噴煙あり、背後には上越国境の山々あたかも塀の如く聳え、奥日光の諸峰と連っている。
実に豪壮、其の眺望は限りなく展開される。

赤城は三方に雄大なる裾野を展開して居て、輻射谷は可なり発達して多くの登山路がその中に通じている。
そしてその裾野の上には、南側に湯の沢、滝沢、梨木の三鉱泉あり、西側には地蔵鉱泉が湧出して居る。
登山路は前橋口、敷島口、沼田口、岩室口、水沼口、大胡口などあるが、中でも前橋口は最も便であるが、豪壮で面白いコースは敷島口より梨木鉱泉を経て上神梅へ出るか、又は水沼へ出るコースである。
又六月初旬になれば赤色のつゝじの花が咲き乱れて美しく、其等の間に放牧せる牛馬の群を見る事が出来る。



文章はほとんどガイド調で、美文を心掛けて書いていることは分かるが、末夫さんもまだ若い年齢で、筆に力が入り過ぎている感があるのは惜しい。
それでも昭和ひと桁の時代を考慮し、ハイキングなどを扱う雑誌に投稿、採用されれば、赤城山登山の簡単な副読本にはなっただろう。

まだ昭和八年の記録が1本(だけだと思う)残っている。
なので、次回も昭和八年の原稿をアップする予定。(太田)



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