大洗 鹿島灘 鹿島 水郷サイクリング


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此のコースは一年中を通じて何日でも良いで有ろう。
主として海岸沿ひで有るから夏もそう暑くなく、海岸は黒潮(暖流)躍る太平洋で有るため、冬も非常に暖かで有る。
水戸駅を出て一寸常磐線に沿って進み、ガードでこれを潜って那珂湊へ到る道を取る。
道は暫くして大那珂川の畔に出て、満々として水をたゝえる美しい那珂川沿ひに進むので、非常に景色が良い。
途中には巨大な松の並木など有り、実に気持ちの良い道で有る。
それに上下が全くないから一層面白い。

道は那珂港の入口で那珂川を渡り、町に入る。
町の入口に水戸の反射壚が有るから見て行くが良い。
那珂港は当地方有数の漁港として有名だ。
此こで大洗に到る道を取る。
道が再び那珂川を渡る所を海門橋と云ひ、那珂川の海へ入らんとする所で多くの漁船が雲集し、前方に太平洋の海波を眺めて実に風光がよい。
此れから大洗までは僅で有る。
海門橋を渡って右に磯浜町に到る道と別れて左へ急坂を登り、有名な美しい大洗の松林の中を潜って海岸に出れば、そこが大洗海岸で、右手の丘の上に大洗磯前神社が有る。
大己貴神を祀り、国幣中社で有る。
社前より望んだ太平洋の日の出の大観は特に有名で有る。
又此こは夏期の海水浴場としても余りにも有名な所だ。

扨これから一路鹿島に向って鹿島灘の海岸沿ひに大縦走は開始される。
道は今来た道を更に前進、磯浜町に出る。
此れから大貫町へは町続きですぐだ。
大貫を出ると道は美しい松林を潜って丘陵の上へと上がる。
そして直接海岸は見えないが、海岸沿ひに進むので有る。
途中度々自転車を止めて左手の松林へ入ってみるとよい。
すぐ目下に美しい太平洋を望み、遠く今過ぎて来た大貫や磯浜の町を望んで実に美しい景色で有る。
夏海を過ぎて暫く来た所から右へ一寸海岸と離れて進む。
周囲の風景は暖流躍る関係上、冬とは云へど春の如く南国的情緒を多分に含んでいる静かな子無の村を過ぎ、樅山の部落を出た所で道は二分する。
右へ行けば鉾田に到る。鹿島へは左へ大きな道を進めば良いので有る。
此の道は地図には未だ載っていないが実に立派な道で、こゝから鹿島迄約27粁で有る。
道は暫くして再び海岸沿ひの道となる。
美しい松林の間から見える眞青な太平洋は実に絵に画いた様で有る。
海岸線に沿って点在する小さな漁村は、まるで夢の国に有るかと思われる様な平和な明るい静けさに満ちている。
街道の周囲はほとんど美しい松林で、人家はひとんどない。
広漠たる一大松林の中を只一本の道路が走っているのみで有るから、実に爽快な気分で有る。
長い長い此の街道を汲上、下沢、浜津賀、角折と過ぎて明石の附近より右へ丘陵帯へと入り、美しい海とも別れる。
この辺迄来れば鹿島ももう近い。

鹿島は官幣大社鹿島神宮の有るので有名な所で有る。
又一方、水郷遊覧の中心地としても繁盛を極めている。
鹿島神宮は武甕槌命を祭り、香取神宮と共に我国古来の武神として名高い。
先づ神社に参拝をしたならば、要石を見るがよい。
此れは広い境内の奥に有るので、御本殿から鬱蒼とした森林の中を可成り歩まねばならない。
途中には御手洗池や奥の院等が有る。
要石は圣一尺程の自然の玉石で、太古関東地方には地震が多かったが、此れは地下に鯰が居てあばれるからだと云ふので、鹿島の神々が相談して石の棒で其の頭部を突き刺したものだと云われている。

鹿島神宮に参拝を終えたら此れからいよいよ水郷の中心地へと入る。
先づ潮来迄の間を陸から、潮来から佐原迄の間を船から眺める事にしよう。
鹿島で潮来へ到る街道を取るとすぐ丘陵を下って大船津に着く。
此こで北浦を長い長い神宮橋で渡り対岸延方に出で、更に快走すること暫し水郷の中心地に着く。
途中の風景は水郷の気分が横溢している。
美しい水辺も散在する聚落もどことなく牧歌的な優しい夢の様な憧を抱いているたまらない景色で有る。
此れから更に陸路牛堀から横利根沿ひに佐原へと水郷を探ってもよいが、先づこゝから船で行った方が利口なやり方で有る。
船に自転車を乗せてもらう。
船は前面の北利根川を渡って小さな掘割へと入る。
此れが加藤州の十二橋で、船は一つ一つ潜って進む。
此れを過ぎると再び興田ノ浦の広々とした水面を進む。
美しい葭の繁みと可愛らしい水鳥の群。
遠く望む筑波の秀峰等、まるで夢でも見ている様で有る。
此れを過ぎて船は大利根を渡り、津ノ宮に着く。
香取神宮には此こで降りて、再び自転車で一走り丘に上がると官幣大社香取神宮が有る。
やはり鹿島と仝様、日本の唯一の武神で、經津主命を祭る。
境内櫻ノ馬場より筑波から水郷一帯を望んで景色がよい。
香取神宮より佐原駅迄はもう僅で有る。



末夫さんには珍しく、ベタ誉めのコースである。
ハイキング」掲載とあるので、その嬉しさもあったのだろう。
だが読者投稿とはいえ、あまりにも画一的な美辞麗句ばかり並び過ぎる。
点在する漁村を「夢の国」とは、当時の比喩としてどうなんだろうか。
応募原稿は返却されないだろうから、掲載後に改めてこの文章を書いたと思われる。
それでも素直に読めば、年初の凛とした大気感や風景が浮かんで来る。
「寒気を衝いて自転車ハイク」のサブタイトルが利いている。
しかし平成に生きる私なら、問答無用で自転車はパスするだろう。
車では実際に走ったこともあり、脳裏に浮かぶ画像から、コンビナートや国道を疾走する大型車を消去すれば、確かに魅力的なコースだったことは間違いない。(太田)


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